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【読書感想文】工作少年の日々

(2013-04-06)
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大学の工学部助教授であり、人気ミステリー作家でもある森博嗣さんによるエッセイ集で、小説「すばる」で連載されていたものをまとめたもの。(ちなみに現在は大学を退職されています)
模型や工作の話を中心にテーマフリーで書かれたエッセイですが、かなり軽い文体で書かれているので驚きました。
ブログを本にした「MORI LOG ACADEMY」や音楽を題材にしたエッセイ「DOG&DOLL」、学生とのQ&Aを収録した「臨機応答・変問自在」などとはかなり違うので戸惑う人も多いかと思われます。
どちらかというと「すべてがEになる」からはじまる初期の日記シリーズや「工学部・水柿助教授の日常」に近いですね。厳密に言うと「水柿助教授」シリーズはエッセイではなく小説ですが……。
これらを読んでない人は「本当に森博の文章なのか?」と驚いてしまうのではないでしょうか。

内容は奥さんのスバル氏と一緒に洗濯機やミシンを直した話や頑固な模型屋さんとの緊張感あるやり取りなど、初下ろしとなる話が満載で楽しかったです。
また、幼き日の思い出を綴った描写も多くて面白かったですね。
建築の設計者である父親が1度だけ製図版を使って紙の電車を作ってくれた話や母親がはじめてペンチを買ってくれた日のことなど。


とはいえ心温まるエピソードだけでなく、仕事に対しての姿勢などを鋭利な文章で書かれているところもあり、やはり森さんのエッセイだなぁと気付かされます。
例えば、「忙しさとは」というテーマでは

“忙しさというのは、結局のところ、「忙しく」見せかけて、「やりたくないこと」から自分を防御するための偽装にすぎないのでは、という気がしてならない。多くの忙しさは、自分で望んで設定した忙しさだったりする。もっと早くやっておけば良かった。ぎりぎりまでやらずにいたのは、忙しくしないとできないほどつまらないものなのか、あるいは、ぎりぎりにやった方が短期決戦になって好都合なのか、誰かがやると思って様子を見ていたけれど、予想どおり誰もやらなかったものなのか、いろいろケースはあるにせよ、どれも、自分で予想して招いた(あるいは育てた)忙しさなのである。現に、「来週から再来週にかけて、忙しくなるから」なんて口にしたりするではないか。忙しくなることが予想できているのだ。予想できている忙しさなら、事前に何か手を打って回避すればよさそうなものだが、それもしないところをみると、なんとか凌げる程度の、取るに足らない「小粒の忙しさ」であるということ。本当に、どうしようもない「ジャイアントな忙しさ」なんてものは、まずお目にかかったことがない”

という一文があり、耳が痛くなります(笑)。

大学で毎日講義や会議をしながらハイペースで小説を発表し、工作をはじめとした趣味にも時間を当てていた森さんに言われるととても説得力がありますね。
別のエッセイに「いつ小説を書いているのですか?」という問いに「あなたがTVを観ているときや寝ているときじゃないですか」と解答していることもあり、時間の使い方が上手いのだと思います。あとはマルチタスクをする能力ですかね。(例えば、わざとキリの悪いところで終わらせて、すぐに再開できるようにしているらしいです)
趣味の時間を作るために食事は1日1食にして、TVや新聞を観ない、ギャンブルやタバコもやらない生活習慣を作ったというのがスゴイですね。(仕事の休憩はため息を付くことぐらいだとか)
“ご飯を食べるよりも趣味に時間を当てたほうが楽しいから”と言われれば納得できますが、なかなかマネできることはない……。
ただ自分も生活に無駄が多いほうなので、もう少し上手くやりくりして有効活用しようと思いましたヨ。


【読書感想文】メルカトルと美袋のための殺人

(2013-04-04)
綾辻行人さん、法月綸太郎さん、島田荘司さんの3名から推薦を受けてデビューした麻耶雄嵩さんの短編集。
探偵・メルカトル鮎の活躍するシリーズとしてはデビュー作の「翼ある闇 メルカトル鮎最後の事件」「夏と冬の奏鳴曲(ソナタ)」が先のようですが、短編から読んでみたかったのでこちらから。

ちなみにこのシリーズでワトソン役として登場する推理作家・美袋三条は美少女ゲーム『Sense Off』に登場した三篠美凪の名前の元ネタであるとかないとか。

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さて、この短編集ですが、物理トリックや心理トリック、入れ替えトリック、死体損壊トリック、叙述トリックに至るまで内容がバラエティ豊かで読んでいて飽きませんでした。
中には実在の幽霊(?)を推理の材料に取り込んで解明するものまであるのですが、事件解決のヒントはすべて文章の中にあるためフェアな内容になっています。
というか、この小説は文章のどこにヒントがあるのかわからないので注意深く読む必要がありますね。騙し方がとにかく上手い。
どれも組み立てが綺麗で惚れ惚れする作品ですが、とくに最初の「遠くで瑠璃鳥の啼く声が聞こえる」は素晴らしかったですね。
実際に可能かどうかは置いておいて、まさかそんなアクロバティックな方向で来るのかとトキメキました。
ほかの作品も二転三転する作品が多く、驚きの連続でした。


また、そんなさまざまなトリックが仕掛けられた難解な事件の数々を事もなげに解決していくメルカトル鮎がすごく格好いいです。
みずから「私は長編には向かない探偵」と豪語しているだけあり、とてつもなくスマート。
そんな彼に振り回される美袋もまた面白いです。

ただ、彼の性格はかなりシニカル……というより鬼畜なので万人には受け入れられないかなと思いました。
犯人を罠にはめるため、殺人をわざと見逃すところとか……。



あ、そういえば文庫版の解決に『翼ある闇』の微妙なネタバレがあったような気がするのですが……。まぁタイトルで“最後の事件”って言っていますしね(笑)。
それにこういう小説は多角的に楽しめるはずなのでネタバレはあまり関係ないでしょう。というわけで次はデビュー作を読んでみたいと思います。


【読書感想文】レンタルマギカ .〜魔法使い、貸します!

(2013-04-03)
最近シリーズ完結を迎えた人気作ですが、今更に第1巻を読み終えたので感想を。

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ちなみにかつてTVアニメも放映されましたが、こちらも未見。
作者の三田誠さんの著作では「幻人ダンテ」というミステリーを題材にした小説は読みましたね。

この「レンタルマギカ」は現代に生きる魔法使いたちのドラマを題材にした作品です。
魔法使いといっても、それぞれの人物が扱う魔法はケルトやソロモンといった西洋のものから神道や陰陽道といった東洋のものまで多岐に渡り、ごった煮感の強いものになっています。
また、作中で「魔法を使うには準備に費用と時間がかかる」と明言されていることからもわかるのですが、この現代においては魔法よりも近代兵器のほうが万能です。
そういう理由もあり派手な魔法バトルは展開しないのですが、逆に“一手も間違えることができない”将棋のような緊張感を楽しむことが出来ます。(作品内では“魔法の戦いが始まるということはすでにデッキの組みあがったカードバトルをすることと同じ”と表現されていました)


社長不在の魔法使い派遣会社「アストラル」を社長の息子である伊庭いつきがひょんなことから引き継ぐところから物語ははじまりますが、彼がもともと魔法について詳しくないので読者と同じ目線に立ってくれています。
それでも専門用語はすごく多くて読むと難解なのですが、そこまで深く理解しなくてもストーリーラインは追えるので問題ないかと思います。
作者の三田さんが執筆前に文献を読み漁ったということなので、魔術考証はしっかりしていると思われます。(実際、解説シーンには説得力があります)

ただ、物語全体の流れとしてはかなり急ぎ足だったのが残念。
例えば、いつきの通う学校に「アストラル」の女の子とライバル会社「ゲーティア」のお嬢様が同時に転校してくるというオイシイ展開があるのですが、学校での会話シーンは10ページもありません……。
とりあえずフラグを立てたという感じです。もう少し仲良くなるまでの時間をしっかり書いて欲しかったなぁと。
というか、この第1巻って「ゲーティア」のお嬢様・アディリシアがほとんどメインヒロインなんですよね。
物語も魔法の探求を追うばかりに異形になってしまった彼女の父を討伐する話に終始していますし。(あとは主人公に隠されていたある秘密)
まぁ、アディリシアは金髪ツンデレ縦ロールでいいキャラをしているのは確かなのですが、メインヒロイン・穂波の立場は……。
ほかの「アルトラル」所属の魔法使い、猫屋敷蓮と葛城みかんもキャラクターが立っているだけに主人公のサポートだけで終わってしまったのが残念でした。


まぁ、最初からシリーズとして考えられいてた作品なので1巻だけで評価しないほうがいいのでしょう。
世界観とキャラクターは文句なしに気に入ったので2巻以降も追いかけてみようと思います。


【読書感想文】『たっち、しよっ!-Love Application- ~僕と運命の彼女たち~』

(2013-04-02)
同名のゲームを題材にした『たっち、しよっ!-Love Application- ~僕と運命の彼女たち~』を読了したので感想を。

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原作である『たっち、しよっ! ~Love Application~』は心を読むアプリ「Satori」が搭載された不思議なスマートフォン“yPhone”を使って女の子のヒミツを探っていくAVG。
ゲームを進めることでアプリが自動的にアップデートされていき、得られる情報が増えていく……なんて仕掛けも存在した。
ちなみにこのゲーム、あるヒロインのエンディング間近で高確率でフリーズするというバグが存在する。
「Satori」をアップデートするならゲーム本体もアップデートしてよ! と思ったり思わなかったりしたのも今では懐かしい思い出だ。。
まぁ、テキストの面白さや3Dモデルのクオリティをはじめとして恋愛ゲームとしてのレベルは低くないのでPS3を所持しているなら遊んで欲しい1本ではある。進行バグも手順さえ知っていれば回避可能だ。


さて、恋愛ゲームのノベライズというと本編のストーリーをなぞるものが主流だが、本書は完全オリジナルになっている。
各ヒロインの抱える問題は解決しつつも誰とも結ばれないまま文化祭を終えてしまったという始まりかたで、わかりやすくいうとゲーム本編のエンディングの日付からスタートする。
面白いと思ったのはヒロイン同士の絡みが多いことだ。
(そもそも、最初にあとがきを確認して本書がオリジナルストーリーであることと複数ヒロインが絡む内容であることがわかったので購入したのだけれど)
原作のほうは主人公と各ヒロインの1対1による会話を中心に進んでいたが、本書ではこっそりバニーガールの恰好をしてモシモシしていた皐月と主人公に懇願されて猫コスプレをしていた葵が教室ではちあわせたり、軍事オタクの真憂がゲーム会社社長の娘・佳弥にFPSのゲームを借りたりとさまざまなやり取りがあってニヤニヤしながら読むことができる。
みんなで温泉旅行にいくエピソードなどもあり、サービスも満点。
ゲーム版のキャラクターデザインを務めた平野克幸さんによる見開き入浴イラストカットもあって素晴らしい。
しかし、強引な温泉回はどうしても昔のAICアニメを髣髴とさせてしまう……。

主人公は最終的に4人のヒロインの中から皐月を選ぶことになるが、各ヒロインたちに応援されながらピンチを乗り越えて結ばれていく様子は、よくあるすべてを収束するギャルゲーの最終シナリオをプレイしているかに似たカタルシスがあった。

また、本編ではDLCキャラクターとして配信された奈津もいいポジションのキャラクターになっている。
“yPhone”のサーチアプリによって選ばれた恋人候補ではないというのはゲームの設定を踏襲しているものの、最初は少し可哀想に感じたが、“主人公は彼女のことを意識していないが奈津のほうは彼を気にかけている”という淡い恋心がほかのヒロインたちとは違ったアプローチでいいアクセントになっていたと思う。
賑やかしポジションとしての使命もしっかり果たしていたのではないだろうか。まぁ、こういうキャラクターは昔から主人公と報われないと決まっているものなので……。


yPhoneについては、やはり“表示されたグラフィックの顔と違ってじつはこんなことを考えている”という表現が可能だったゲーム版に軍配があがるが、小説版もよりわかりやすくオーバーに心の声を描くなどという工夫がしてあって面白かった。例えばくじ引きでモデルガンを見つけたときに真憂の心を覗いたときの

『欲しい欲しい欲しい欲しい欲しい欲しい欲しい欲しい欲しい欲しい欲しい欲しい欲しい欲しい欲しい欲しい欲しい欲しい欲しい欲しい欲しい欲しい欲しい欲しい欲しい欲しい欲しい欲しい欲しい欲しい欲しい欲しい欲しい欲しい欲しい欲しい欲しい欲しいほし……』

など。
また、「あともう少しで本音がわかるのに……!」というところでyPhoneの充電が無くなってしまう展開や頼りにしていたyPhoneが反応しなくなり皐月とギクシャクしてしまう終盤など、小説ならではの盛り上げ方が用意されていて面白かった。


ちなみに小説を手掛けているのは原作を手掛けたヒガシロウさん&桃野衿さんではなく、天草白さんという方。経歴を調べたところオーバーラップ文庫などで活躍するライターの方のようだが、文章は上手で原作との違和感もまったく無かった。
例えば、序盤の主人公と皐月の会話を抜粋すると

「僕は三階生の教室で豆乳を買いましたよ」
「そ、そうにゅう……?」
ぴくり、と会長の片眉が上がった。
ん?
「いえ、豆乳ですけど。乳製品をいろいろと売っていたんです。その後、自家製ヨーグルトも買ったんですけど、こっちも美味しかったですよ。こう……ミルクの味がとろっとした感じで」
「とろっとしたミルク……そうにゅうの後で、ミルク……」
「あとホットプレートで焼き肉をやっている店もありましたね。そうそう、ハラミがすごく美味しくて」
「は、はらみ……そうにゅうで、ミルクで、はらみ……」


と、はっちゃけかたを含め、かなり本編の雰囲気に近い。
もちろん、銃についてウンチクを垂れる真憂やツンデレなセリフを言う佳弥など、個々の性格や口調もしっかり再現されている。


ぜひ原作のゲームと一緒に楽しんでほしい一冊だ。


『ラブライブ!』のアニメに思うこと

(2013-04-01)
「ラブライブ!」……ダメ人間向けのご褒美アニメだと思っていたのにこんなにハマってしまうとは。
息の長いコンテンツだとどうしてもファンの期待に応えようとして閉じた世界になってしまうものだけど、このアニメは「一緒に盛り上がりませんか?」というスタンスが根底にある気がして観ていて心地よかった。
ストーリーラインを練ったシリーズ構成の花田十輝さんをはじめとしたスタッフの舵取りがお見事。

あと、普通に見ていると見逃してしまう可能性があるが、この作品の大きなポイントはその「一緒に盛り上がる」という世界観の提供の仕方にある。
作り手と受け手の“同調”は、なげやりのギャグを視聴者にわざとツッコミをしてもらうなどといったわかりやすい手法ではなく、スクールアイドルの“全力”をまず観てもらい、それに同調したファン(視聴者)が“全力”で彼女たちを応援するという形になっていた。
これはアニメのプロとして完成品を作りつつ、ファンにも作品を補完してもらうという新しいスタイルを作っていたと思う。
ニコニコ動画のコメントを意識したアニメが先細りになっていると感じていただけにこの手法に気付いたときはショックだった。
また、アイドルがリアルタイムにファンを増やしていくという作品の状況と照らし合わせるとテーマが繋がって面白かったりもする。
劇中における挿入歌PVの挟み方も絶妙だった。
これらがドラマの中で生まれた歌だからこそより感情移入して応援できたし、次はどの女の子がどんなメッセージを込めた歌唱/アピールをするんだろうというワクワクを感じることもできた。
全員がμ'sに加入したときにファーストPVを挿入するというのも上手い。
何度もやってしまうと前述の“閉じたコンテンツ”になってしまう恐れはあったけど、最初で最後の大きなサプライズとしてとても良い方向に傾いたと思う。
また、そのサプライズを8話まで温存していたのもニクイ。


そして、この作品はスクール(学園)が舞台というのもじつは大きなキモになっていると思う。
学園生活というレンズ越しに覗くと、彼女たちが派手に笑ったり泣いたりするシーンもまったく嫌味がなかった。むしろキラキラと輝いて眩しくさえあった。
新人の声優さんを多く起用し、フレッシュさがあったのも相乗効果があったのではないかと思う。
単純に彼女たちの日常を観ているのが楽しく、じつはこれが何より視聴者を幸せにしていたんじゃなかったのかなと感じている。


さて、アイドルの卒業ソングといえばポップで明るいものが定番だが、このアニメの最終回も「START:DASH!!」という前向きな曲でフィナーレを迎えた。もちろん穂乃果たちに会えなくなってしまうという一抹の寂しさもあるが、“ライブ”というのはそういう別れを抱えるから心に刻まれるものだ。それにアイドルとして走り出した彼女たちのエネルギーは無限大。すぐにどこかで会えるだろう。
今は9人の最高の笑顔を胸に明日も元気に頑張ろうと思う。



喜びを受け止めて 君と僕進むだろう
それは(それは) 共に(夢の)
欠片(だけど)
愛しい欠片
彼方へと…僕はDASH!!


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ダンガンロンパ 希望の学園と絶望の高校生

『STARLESS』2011年5月27日に発売予定!



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